アイズピリ(ポール・アイズピリ/Paul Aizpiri)は1919年にパリで生まれた画家である。父親は彫刻家であり、その父の勧めもあってブール象眼学校へ入学。しかし在学中に絵画への関心が高まり、画家を志して1936年にパリ国立美術学校へ転入しサバテに師事。1939年には第二次世界大戦のため徴兵されドイツ軍の捕虜となるも脱走し制作活動を再開。サロン・ド・メやサロン・ドートンヌに出品するようになる。フランス解放後の1945年、青年絵画展(サロン・ド・ジューヌ・パンテュール)の創立会員の一員に加わり、翌年には同展三等賞を受賞。1951年にはヴェニス・ヴィエンナーレにてプリ・ナショナル賞を受賞し、着実に評価を高めていった。
静物、人物、風景などモチーフは様々であるがいずれも身近なものが多く、軽やかな筆致と暖かみのある明快な色彩でフランス・パリ画壇具象派の巨匠としての確固たる地位を築く。ポップにデフォルメされた作品は日本でも人気であり、数多くのリトグラフも制作されている。
1963年に国際形象展へ出品して以来毎年出品を続けており、1971年にはトゥールにてジュマイ賞を受賞。代表作の一つである、200cm×400cmもの大作「ディエポロの誓い」は日本のホテルシーサイド大森の館内ギャラリーが所蔵している。近年はギリシャ神話をモチーフとした抽象表現も手掛けており、より作品の幅が広がっている。