北田克己は、1955年(昭和30年)12月15日に東京で生まれた日本画家である。
平山郁夫に師事し、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業を経て同大学大学院へ進学、1980年(昭和55年)に第35回春の院展、再興第65回院展にて「さらう」が初入選を果たす。同大学院博士課程満期退学後は同大学美術学部の助手として勤める傍ら製作活動に励み、1993年(平成5年)には第48回春の院展、再興78回院展にて奨励賞を受賞。その後は明星大学や多摩美術大学にて講師を勤めながら精力的に作品を発表し続け、春の院展では1997年(平成9年)、2000年(平成12年)、院展では1994年(平成6年)~1996年(平成8年)、1999年(平成11年)、2000年(平成12年)にも同賞を受賞している。また、1994年(平成6年)には第13回日本美術院奨学金(旧:前田青邨賞)受与、第28回文化庁現代美術選抜展に選出され、同年~1996年(平成8年)に春の院展にて春季展賞を受賞、1995年(平成7年)には第13回山種美術館賞展大賞を受賞、平成6年度文化庁買上となるなど着実に受賞を重ねその実力が広く認められるようになった。
淡い色使いと繊細な筆致による幻想的な作風が特徴であり、主に若いアジア人女性をモチーフとした抽象画を多く描いているが、花や風景をモチーフとした作品においても確かなデッサン力を活かしつつもエキゾチックで幽玄な美しさを感じさせる。
2003年(平成15年)の第88回院展において「夜明けの地」で日本美術院賞大賞・大観賞を受賞、2010年(平成22年)には院展同人に推挙され、また現在は愛知県芸術大学教授として後進の育成にも尽力しており、現代日本画界において今後ますますの活躍が期待される。