梅原幸雄は、1950年(昭和25年)4月7日に三重県度会郡南勢町(現・南伊勢町)で生まれた日本画家である。
吉田善彦、平山郁夫に師事し、東京藝術大学大学院修了と同年の1980年(昭和55年)、再興第65回院展において「微風」が初入選。1986年(昭和61年)には第5回東京セントラル美術館日本画大賞展最優秀賞を受賞、以降主に院展を中心に活動し、1992年(平成4年)の再興第77回院展にて「神灯につつまれて」、翌1993年(平成5年)再興第78回院展にて「線香花火」が共に日本美術院賞・大観賞を受賞している。また1993年にはその功績を認められ院展同人に推挙された。
主なモチーフはインドの女性像であり、絶妙な色使いの褐色の肌と切れ長で力強い瞳からエキゾチックな少女の神秘性を感じさせる。また、近年は所謂花鳥画にも取り組んでおり、故郷である伊勢周辺の風景画などを柔らかな筆致で描きあげている。2001年(平成13年)の再興第86回院展にて「花筏」が文部科学大臣賞を受賞、2003年(平成15年)には再興第88回院展にて「白銀の流れ」が内閣総理大臣賞を受賞し、また現在は東京藝術大学教授として後進の育成にも積極的に取り組んでおり、現代日本画界の発展に尽力している。