1926年(大正15)長崎県長崎市生まれの日本画家。幼少のころから絵を描くことが大好きであった松尾敏男はその才能を伸ばすべく、17歳の時堅山南風に師事する。そこで、基礎を学んでいき日本画の面白さにのめり込んでいく。
1949年に院展に出品をした「埴輪」が入選を果たす。以後、院展に出品を続け、1972年、「海峡」によって芸術選奨新人賞。1978年、第63回院展出品の「サルナート想」によって日本芸術院賞を受賞。
初期の頃は形を単純化した構成的な作品を描いていたが、1963年頃から北海道の自然、生きものを素材に自己の内面を投影する幻想的作風に入る。
“白の境地”を大切にし、感動を素直に絵画化、特に牡丹で高い評価を得ている。花の画家として知られているが、花鳥、人物、風景と作域は広く、水墨画にも挑んでいる。日本美術院理事・評議員でもある。
上記以外の代表作品に「春容」「日蝕」「野火」「廃船」「鳥碑」「櫂」などがある。