穐月明は、1929年(昭和4年)に和歌山県高野山で生まれた日本画家である。
幼少期は愛媛県東予市の地蔵尊を本尊とする実報寺にて過ごし、京都市立美術専門学校(現・京都市立芸術大学)へ入学。日本画と洋画を学ぶが、卒業間近に清時代の画家・金冬心の作品に深い感動を覚え、それまで学んでいた絵画技法から離れ独学で水墨画を修得する。
寺院で育った影響からか観音像・菩薩像から野仏などの仏画を多く描いているが、身近にある挿し花や風景画も主要なモチーフとしてその瑞々しさを水墨画の濃淡によって見事に描き上げている。
近年は「平凡なものに無限の味を覚えるようになった」と語り、特定の師にもつかず独りで追求してきた墨彩の世界はますます表現豊かに冴え渡る。どの流派にも公募団体にも属さず、「孤高の画家」と称されている。
2014年第19回アオシス2014大阪知事賞。
2017年Art Maison Selecting Committee A.M.S.C.スペイン本部賞。
2017年4月15日死去。