草間彌生は、1929年(昭和4年)3月22日に長野県松本市で生まれた前衛芸術家である。彫刻家・画家・小説家の顔を持つ。「草間弥生」と新字体で表記される事もある。
幼少の頃から草花のスケッチを好んでいたが、同時に彼女の代表的モチーフである水玉模様を用いた絵(ドット・ペインティング)や網模様もこの頃から描き始めていた。画材は水彩・パステル・油絵と様々であったという。松本高等女学校(現・長野県立松本蟻ヶ崎高等学校)を卒業後、京都市立美術工芸学校(現・京都市立銅駝美術工芸高等学校)4年生に編入し日本画を学ぶ。ここで絵画技法を身につけたが旧態依然とした日本画界は彼女の肌に合わず、帰郷。実家にて独自の幻想的な絵画をひたすら制作し続ける。
松本で2度、東京で4度個展を開いた草間は、1957年(昭和32年)に単身渡米。ニューヨークを活動拠点として絵画だけでなく立体作品や「ハプニング」と呼ばれるパフォーマンスアートなどにも積極的に取り組み、世界中で脚光を浴びた。1973年(昭和48年)に体調を崩し帰国後、入院するも美術品制作のみならず小説や詩集を多数発表する。
1980年代後半以降、草間の活動が活発化するに伴い世界的に再評価されるようになり、国内外での大回顧展や個展を開く。2000年以降は紺綬褒章や旭日小綬章など数多くの名誉を受賞、写真家やファッションデザイナー、ルイ・ヴィトン等のブランドとのコラボレーションや映画出演など表現の幅をさらに広げ、現在も真っ赤なウィッグと鮮やかな水玉模様のファッションをトレードマークにして精力的に活動している。