森田りえ子は、1955年(昭和30年)に兵庫県神戸市で生まれた日本画家である。京都市立芸術大学在学中は美術教師を志していたが、同大日本画専攻科(現・大学院)修了後、画家となる事を決意。そのような経緯により世に出たのは決して早いとは言えず、第一回川端龍子賞で大賞を受賞した事で注目されるようになる。
徹底的にデッサンの訓練をするなど地道な努力により卓越した描写力は大胆かつ繊細であり、対象物と真正面から向き合いその内面まで描き出すような精神性を持つ。四季折々に咲き誇る美しさを余すところなく描き出す花々、京都の伝統文化を代表する舞妓の艶やかさ、時にはエキゾチックな魅力を醸す女性像など伝統的手法とモダンな構図を巧みに使い「日本の雅やかさ」を華やかに描き上げ、観る者全てを魅了する。
京都迎賓館や鹿苑寺舎利殿金閣(いわゆる金閣寺)の本堂杉戸絵、客室天画など公の建造物や由緒ある寺院等への作品も手掛けたほか、日本各地だけでなく海外でも個展を開催するなど国内外で活躍している。次世代の日本画壇を牽引する担い手として期待を集めている画家である。