1921年4月28日生まれのガラス工芸家。東京美術学校で彫金を学び、岩田工芸硝子(株)を経て、ガラス工芸家に転身。
1960年代後半には、ガラス素材の特性を生かした「流動ガラス」を、1973年からは藤田の代表作で「フジタのハコ」とも称されている「飾筥」を発表し、国内外から高い評価を受けた。日本では新しいジャンルのガラス芸術で独自の作風を確立した。50歳を過ぎてからもイタリアのヴェネチアで伝統技法を学び、レースガラスやオブジェなど新たな作品にも積極的に取り組んだことで知られている。「飾宮」とはまったく異なる、自由で独創的なオブジェの制作に取り組むなど、ガラスの可能性を追い求めながら、生涯を通じて幅広い造形活動を展開し続けた。
色ガラスの持ち味を生かし、日本の文化や伝統美を反映させた作品や、優れた色彩感覚と造形力で芸術性の高い作品を残している。私たちの感性を大いに刺激する、美しく清々しい作品の数々は、現在でも多くのフアンを魅了している。代表作に花器「虹彩」、飾り箱「菖蒲」「春に舞う」などがある。
2002年、ガラス工芸家として初の『文化勲章』を受章した。2004年、逝去。