森本草介は洋画科であり、画家・森本仁平の長男として1937年(昭和12年)8月14日に生まれた。東京芸術大学絵画科油画専攻に在学中の1961年(昭和36年)に安宅賞を受賞し、若くしてその才能を発揮し始める。リアリズムを追求した高度な写実技法を用いながら穏やかな優しさに溢れた作風は人物画、静物画、風景画で高い評価を受け、現代日本における写実絵画界の牽引役と言える。
油彩でモチーフを忠実に写生するように、ヨーロッパの風景などを好んで描いているが、特に女性画に関しては、1979年(昭和54年)頃にそのモデルを発見した後に数多くの裸婦画、着衣婦人画を制作してきた。ベージュを基調とした柔らかな色使いの中どこか物憂げな表情を浮かべる女性画の数々は、まさにその美しき一瞬の煌めきを捉えた儚さとともに確かな生命力を訴えかける。
現在、国画会会員。