上村松葟は1902年(明治35年)11月4日、京都市に生まれた日本画家である。本名は信太郎という。母は近代美人画の大家、上村松園である。息子・上村淳之も同じく日本画家である。
幼い頃から、秀れた芸術に接することによって美的感覚を磨いてきた。小学校を卒業すると、京都市立美術工芸学校絵画科に入学し、引き続き京都市立絵画専門学校(現在は京都市立芸術大学)に入学する。
大正10年帝展初入選し、以来、連続入選を続けて、昭和3年には特選を得ている。
昭和23年に『創造美術』を結成する。徹底した写実に基づいた格調の高い花鳥画を得意として、多くの名作を残した。昭和59年に文化勲章を受章する。母・上村松園もこの賞を受賞しており、親子2代での受章は史上初であった。