西村龍介は洋画家であり、大正9年(1920年)2月8日に山口県小野田市で生まれる。本名は一男。川﨑小虎、矢沢弦月に師事し日本画を学んでいたが、1940年(昭和15年) 日本美術学校卒業と同時に出征、1945年(昭和20年)終戦とともに復員後は油絵に転じ、この頃から雅号を「龍介」と改め二科展へ出品を始める。1956年(昭和31年)に二科展特待賞受賞、1958年(昭和33年)同展金賞受賞を経て1960年(昭和35年)に二科会会員となる。
1964年(昭和39年)の渡欧を契機として「古城シリーズ」に着手。森と水に囲まれたヨーロッパの古城を題材とし、洋画と日本画を融合させた独自の油彩表現で評判を博した。その一方で、 1987年(昭和62年)当時の外務大臣であった安倍晋太郎氏の肖像画なども手がけている。2005年(平成17年)2月21日、急性心筋梗塞のため85歳で死去。