日本画家。1930年(昭和5年)6月、広島県豊田(とよた)郡瀬戸田町(現・尾道市)に生まれる。1952年(昭和27年)東京美術学校日本画科を卒業。以後前田青邨に師事する。翌年、「家路」で第38回院展にて初入選。1973年(昭和48年)に東京藝術大学教授となり、1989年(平成1年)から同大学学長を2期務める。
平山の制作の精神的な支柱は仏教に求められていた。やがて仏教を遠く日本まで伝えたシルクロードへの憧憬が強まり、東西文明交流の跡を訪ねて中国、インドから中近東にまで足を伸ばした。ヨーロッパからアジアにまたがる大地と、そこに繰り広げられた栄枯盛衰の歴史、そしてその中でやむことなく続けられた人間の営みの姿。これらは彼の画想にさらに豊かな広がりと深みを与え、ロマンに満ちた作品の数々を生み出せた。平山郁夫のシルクロードの絵には、確かな歴史の重みが感じられるのである。
さらに法隆寺金堂壁画、高松塚古墳壁画の再現模写などにも携わった。1998年(平成10年)文化勲章受章。2000年(平成12年)奈良・薬師寺玄奘三蔵院(げんじょうさんぞういん)に『大唐西域壁画(だいとうさいいきへきが)』を完成させた。1997年(平成9年)瀬戸田町に平山郁夫美術館が開館。
2009年(平成21年)12月2日永眠(満79歳)。